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『Existence〜存在すること〜』はブログ制作者であるZexionが、本・音楽・映画・TVゲームなどを中心に気になった商品、おすすめの商品の感想・情報を紹介するブログです。自戒を込めて「ネタバレはできるだけ注意して回避。作品の長所を取り上げる。未読者でも既読者でも読める感想。」を守りつつ感想・情報を紹介します(したいです)。

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『身の上話』佐藤正午 (著)―読書記録

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    佐藤 正午
    光文社
    ¥ 1,680
    (2009-07-18)

    人生にも必ず岐路はあるのか、ところどころで、判断・選択はできるのか。
    それとも、人との出会いが、人生を決めるのか。
    この主人公の流され方に、自分は違うと言い切れますか。
    人間・人生の不可思議をとことん突き詰める、著者の新たな代表作の誕生!(帯引用)

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     人の運命はほんの些細な切欠から思いもかけない展開を辿ることになる。本書『身の上話』は「事実は小説よりも奇なり」を小説で再現していく。通常どこにでもあるような出来事から始まるあり得ないような事態を『身の上話』として淡々と推移を見ていく物語である。

     主人公、ミチルの夫であると告白する「私」が妻であるミチルの話をするというスタンスをとっている。「ですます調」で語られるミチルの「身の上話」の形式に疑問を持ちつつも話は進む。

     ある地方都市の老舗書店で働いている古川ミチルは宝石店の息子、上林久太郎とは誰もが認める仲だった。そんなある日、ミチルは東京から毎月定期的に出張してくる大手出版社の営業マン、豊増一輝と不倫の関係を結ぶ。豊増一輝が東京へ帰る日、ミチルは、歯の治療に行くという口実で職場を離れ空港へ豊増一輝を見送りに行く。同僚たちから頼まれた宝くじを買い、さして考えもせず豊増一輝と共に東京へ旅立ってしまう。

     ミチルの突発的な行動にボーイフレンドの上林久太郎、同僚、そして両親たちは大騒ぎになる。ズルズルと故郷へ帰りそびれたミチルは親から口座を閉められ、又、職も失ってしまう。だが、東京で窮しているミチルに思いがけないことが起こる。同僚達に頼まれて買っていた宝くじの内の一枚が一等2億円に当選していたのだ。なんの意図もなしに余計に一枚、宝くじを買ったことがすべての始まりとなった・・・。

     突然舞い込んできた幸運だが、語り手の淡々とした口調にじむ不穏な様子と語り手のおことわりが、ミチルのこれからの物語を予感させる。
     軽はずみなことから末永く幸福になれるものなら、誰も苦労はしません。(P.23)

     幸福は持続しません。ミチルについて語るとき、私はこの格言を特に強調したい思いにかられます。産みの母と死に別れた幼児期からはじまって、この日まで、そして今後例外なく、ミチルの身の上に常にまとわりついて離れない格言だからです。ミチルの幸福は決して長続きしない。(P.71)

     また、2億円の宝くじを当てたことで、高額当選者の一般にかかえる「不安や疑問の解消に役立つよう、弁護士、臨床心理士、ファイナンシャルプランナーといった専門家のアドバイスを得て作成された」、ハンドブック『【その日】から読む本』も予言の書のようにミチルの行動を暗示する。
     お金はお金でしかありません。お金は何かほかのもの、あなたの人生を幸せにするものに換えてこそ価値を持つのです。(『【その日】から読む本』第二部・第7章)
     ちなみに、宝くじや『【その日】かた読む本』の内容は出来てきますが、物語の主題ではないので、宝くじのネタを目当てに読むと肩透かしを食らいます。でも、興味深かった。 

     さて、本書『身の上話』は、ミチルが語ってくれた過去のおおよその顛末と、ミチルの親友である初山さんの証言から導き出した結果を、「私」の声で語りなおした「事実」である。
     
     不倫したこと。職場への不誠実な態度をしたこと。宝くじを無作為に買ったこと。幼なじみの竹井のマンションに居候させてもらいつつ、東京で暮らし始めたこと。そして、宝くじの当選番号を知った時にに考えた自己中心的とも言える思考。こんな、ひとつひとつの出来事は、大なり小なり私たち自身にも起こりえる。でも、主人公のミチルは読者の感情移入を拒むような短慮さを発揮し続ける。

     主人公のミチルは「さして考えもせず」・「突発的な」・「ズルズル」という言葉で片付けなくてはならないような、理由にもならない理由や直情的な行動を次々と起こす。数々のミチルの言動や行動に、読者は、ハラハラ、イライラしながら推移を見続けていく事になる。
     過去の出来事を完全に切りはなされて続いていく現実、そんなものはありません。あるとすれば、やはり、それは見果てぬ夢としか言いようがなく、いつかは肩を揺すられて、地続きの現実に呼び起こされる時が来ます。
     何かものごとが起きたとき、判断を見失ったことが、だれもが犯しがちな小さな過ちを、特別なことは「何も考えない・しない」放心状態で足を止めているだけのことが、事態を思いもよらぬ方向へと転がしていく。「何もしない」なんて、「目の前の事を回避するためだけに行動する」なんて、誰でもするのに。

     ところで、『身の上話』を読み進める(聞いていく?)と、読み始めた冒頭から、浮かんでいる疑問がだんだんと大きくなっていく。ミチルの身の上話を語るこの人物が、ミチルノ周りに登場する気配さえないのである。また、淡々とした口調にどこか不穏な空気がにじむ「身の上話」を、語り手はいったい誰に向かって、何のために、話をしているのだろう、と。

     本書の中を見ると、行間の詰まりと、文字の濃いから読みづらい小説と思わせる。しかし、著者、佐藤正午はエッセイ集『小説の読み書き』で、小説家の書くまともな文章について具体的な考察をするような作家らしく、苦痛に思うことなく読むことができた。

     『身の上話』というタイトルからは、日常を描いた文芸小説的な内容を連想させておきながら、全く予想しない方向に動き続ける作品。でも、一つ一つの出来事の始まりは、あなたの「身の上話」でもありうる話なのだ。

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    ■著者はこんな人(プロフィール)■
    佐藤正午 (さとう しょうご)       
    1955年、佐世保市生まれ、在住。’83年、『永遠の1/2』で第七回すばる文学賞を受賞。かつてインタビューに、カマボコを切って並べたような、張り合いのない文章を読まされても読者は迷惑だろうし、『面白い小説を、まともな文章で書きたいだけ』と答えている。デビューから25年、円熟期を迎えた小説家の、神経が隅々まに行き渡る文章になればこそ、読み出したら止められない本作が生み出された。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    身の上話 佐藤正午 [文学賞情報]
    「ダカーポ 最高の本!2010」の国内ミステリージャンル 第1位

    著者:佐藤正午
    出版社:光文社
    発売日:2009-07-18
    定価:1,680円
    ページ数:378
    ISBN-10 :4334926711
    ISBN-13 :9784334926717

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    【書評】佐藤正午:身の上話/三浦天紗子
    クォリティの高い書評をお楽しみいただけるオンライン書店『Book Japan』。レビュワー:三浦天紗子。「一つ一つは誰の身にも起こりうる小さな出来事なのに、それが人の運命をこれほど翻弄するのかとハラハラさせられるし、ひとりの平凡な女性の心情がこれほどスリリングな物語になるのかと驚かされる。」と高評価。
    身の上話 / 佐藤正午
    Dehe さんのブログ『トカトントン』。するのも、聞くのも技術を要する『身の上話』を飽きさせずに伝える文章力、構成力に高評価。
    身の上話 著 佐藤正午
    みみこ さんのブログ『ちょっとお話』。「心憎い小説だったな・・と思わずにはいられない印象をもつと思います。
    それと、濃縮の小説です。中身は濃いです。」と評価。軽妙な語り口の感想。
    身の上話 (佐藤正午)
    こすも28 さんのブログ『Cosmos of Books ミステリの書評ブログ』。「ですます調」ゆえに醸し出される雰囲気がいい感じに機能しています。、と文章力を評価。また、サイトではネット書店の紹介などのコンテンツも。
    『身の上話』
    lucksun さんブログ『tempo rubato』。佐藤正午の作品を読み続けているlucksun さんが、「最新にして最高傑作といえるのではないかと思う。」と高評価。「人生一寸先は闇だということ。そして、その闇を手探りで進みゆくことの苦さと、まれに、奇跡のように目の前に現れる至福。その繰り返しが人生そのものだという普遍的な事実を、極端な状況を設定したうえでエンタテインメント性を加えて、提示している。」的確な書評に、佐藤正午作品についても。


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    キーワード:「 佐藤正午 」・「 身の上話

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