2011.03.18 Friday
『雪冤』 大門剛明 (著)―読書記録
あなたの息子は無実です。
時効直前、死刑が確定した男の父親にかかってきた一本の電話。それは真犯人を名乗る人物からだったー。
15年前の殺人事件は冤罪だったのか、それとも・・・・?衝撃のラストに向かって、慟哭の物語の扉が開かれる!
本年度(Zexion 注:2009年)、社会派ミステリの超新星ついに現る!
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「わが国の死刑制度に正面から取り組んだシリアスな社会派ミステリ」・・・選考委員・綾辻行人氏
平成5年初夏ー京都で残虐な事件が発生した。被害者はあおぞら合唱団に所属する長尾晴之と沢井恵美。二人は刃物で刺され、恵美には百箇所以上もの傷が・・・。容疑者として逮捕されたのは合唱団の指揮者・八木沼慎一だった。慎一は一貫して容疑を否認するも死刑が確定してしまう。だが事件発生から15年後、慎一の手記が公開された直後に事態が急展開する。息子の無実を訴える父、八木沼悦史のもとに、「メロス」と名乗る人物から自首したいと連絡が入り、自分は共犯で真犯人は「ディオニス」だと告白される。果たして「メロス」の目的は?そして「ディオニス」とは?
被害者家族と加害者家族の視点をちりばめ、死刑制度と冤罪という問題に深く踏み込んだ衝撃の社会派ミステリ、ここに誕生!(帯引用)
本書『雪冤』は死刑制度や冤罪という重い問題を軸に、人間ドラマを織り交ぜた作品で、2009年の第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞をダブル受賞した。
『雪冤』の応募時のタイトルは「ディオニス死すべし」。ディオニスは、太宰治の「走れメロス」に登場する暴君。著者の大門剛明は「中学で『走れメロス』を習った時、狂気めいた正義のようなものを感じて引かれた。だから、死刑と冤罪をテーマにした話を書こうとした時、ぜひメロスの話を融合させたかった」と語る。
核となる殺人事件だけでなく、過去におきた事件も絡ませながら、全編を通して「被害者家族と加害者家族の視点」「死刑制度と冤罪」の重たいテーマを問い続けている。
「みんな真剣に考えてないのさ、痛みと人を殺すことの関係について。俺は死刑ってもんが必要なのかどうかはわかんねえけど、少なくても真剣に考える気はある。それについて責任を負う覚悟もある。けどその思いを利用しようとする奴らには虫唾が走るんだ」
(略) 被害者感情を軽視した死刑廃止論の奇麗事には辟易するが、被害者感情を利用して被害者加害者の対立を煽る事にも腹が立つということだろう。
彼ら(Zexion 注:犯罪被害者遺族会)は自分たち(Zexion 注:加害者家族)とは立場が違う。だが置かれた状況が違えば自分も彼らと同じ行動をとっていただろう。愛するものをなくした無念の思い。そのどうしようもない思いは同じだ。そのはけ口が違うに過ぎない。
人は苦しみがある時、それを誰かにぶつけたいと思う。ぶつけられるならいい。いやぶつけることが正当ならいい。死刑もその一つだ。だがそうでない時、その苦しみは何処に向かうのか。どう処理されるのか。
もちろん、「メロス」や「ディオニス」の正体をあれこれと読者に考えさせる伏線と展開はミステリーとしても楽しめる。ただし、著者、大門剛明も「ちょっとやりすぎたかなとも思ったけれど、最後まで一気に楽しんで欲しかった」と述べているように、終盤の事実が二転三転する話の展開がわかりにくく、さらに「第29回横溝正史ミステリ大賞 選評」にも散見された登場人物が煩雑すぎて読み進めるうちに誰が誰やらわからなくなってしまう部分があった。
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■著者はこんな人(プロフィール)■
大門剛明(だいもん たけあき)
1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。三重県伊勢市在住。『雪冤(応募時「ディオニス死すべし」を改題)』で第29回横溝正史ミステリ大賞、テレビ東京賞をW受賞
雪冤 大門剛明 [文学賞情報]
2009年 第29回横溝正史ミステリ大賞
2009年 テレビ東京賞
著者:大門剛明
出版社:角川グループパブリッシング
発売日:2009-05-29
定価:1,575円
ページ数:396
ISBN-10 :404873959X
ISBN-13 :9784048739597
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■ 大門剛明/「雪冤」/角川書店刊
belarbre さんのブログ『ミステリ読書録』。
■ 【本】雪冤(大門剛明)
『映画細胞〜CinemaCell』。第29回横溝正史ミステリ大賞の選評をまとめるとともに書評。
■ 「雪冤」(大門剛明著、角川書店刊)
『ミステリ通信 創刊号』。2010年9月にテレビ東京系列にて放送されたドラマ情報や過去の「横溝正史ミステリ大賞」受賞作の書評も。区分けされたところに「雪冤」のネタバレを含んだ全体がまとめられてある。
■ 第7回屋根裏大賞 選考結果 五賞を斬る!
ミステリ愛好者の集い『屋根裏通信』。「第29回横溝正史ミステリ大賞」の雪冤はもちろん、他の大賞を受賞した作品についても対話形式で語っていく。ネタバレあり。
■ 「雪冤」大門剛明
すの さんのブログ『図書館で本を借りよう!〜小説・物語〜』。「作家の狙いと裏腹にどっちつかずで終わってしまった作品」と辛口評価も。薬丸岳の「天使のナイフ」や受賞作品と比較。
■ 太宰治 走れメロス
インターネットの電子図書館、青空文庫。「太宰治 走れメロス」の全文が読めます。入力、校正、制作にあたった、ボランティアの皆さんありがとうございます。
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